【7月5日 AFP】シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権軍と同盟国のロシアは4日、シリア南部で反体制派に対する空爆を再開した。反体制派側はこれに先立ち、降伏に関するロシア側との協議が「決裂」したことを明らかにしていた。

 アサド政権軍は、ヨルダンとイスラエル占領地のゴラン高原(Golan Heights)に隣接する南部ダルアー(Daraa)、クネイトラ(Quneitra)両県で反体制派を2週間にわたり攻撃。ロシアはこれを支援しているが、並行して交渉による降伏に向け反体制派の町との協議を仲介している。

 シリア南部ではこれまでに30を超える町が再びアサド政権の支配下に入ることで合意しており、協議の焦点は反体制派が掌握するダルアー県の西の地方部と県都の南半分となっている。

 反体制派は4日午後、ロシア代表団と会談し、南部の残りの地域を政権支配下とするロシアの提案に関する決定内容を伝えた。インターネット上に出した声明によると、政権側が重火器の引き渡しを主張したためロシア側との協議は決裂した。

 ただ、その後ツイッター(Twitter)に「交渉は脅威にさらされていない」として国連(UN)の仲介による会談を求めている。

 英国に拠点を置くNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、ロシアとアサド政権側は交渉決裂後、4日ぶりに空爆を実施した。(c)AFP/Layal Abou Rahal