【7月4日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は3日、イエメンでの3年にわたる内戦が子どもたちに深刻な影響を及ぼしていると非難し、子ども約2200人が死亡、さらに多くの子どもたちが飢えに苦しんでいる実態を明らかにした。

 イエメン訪問から戻ったばかりのユニセフのヘンリエッタ・フォア(Henrietta Fore)事務局長は声明で、「イエメンでの無慈悲な内戦は、すでに瀬戸際にあった同国を奈落の底の奥深くへと押しやった」と述べ、「数十年に及ぶ低開発と慢性化した国際的無関心の後、3年間にわたる激しい内戦が子どもたちにもたらしたもの」を目の当たりにしたと報告。

 ユニセフは同日、少なくとも子ども2200人が死亡、3400人が負傷したことを明らかにした。

 一方でフォア氏は、「これはわれわれが確認できた数のみで、実際の数はさらに大きい可能性がある」と指摘。「この大虐殺を正当化するものは存在しない」と述べた。

 ジュネーブに集まった記者団に対してフォア氏はまた、内戦による死者と負傷者は、子どもたちが被る苦難の一面にすぎないとし、数百万人の子どもたちが学校に通うことができず、多数の子どもたちが異なる陣営で戦うことを強要されていると指摘。この他にも、結婚させられたり、飢えに苦しんだり、コレラなどの予防可能な病で命を落としたりしていると説明した。

 イエメンでは2014年、イスラム教シーア派(Shiite)系の反政府武装組織「フーシ派(Huthi)」が首都サヌア(Sanaa)を掌握。国際的に承認された暫定大統領の復権を目指し、サウジアラビア主導の連合軍が2015年3月に介入して以来、これまでに1万人近くが死亡している。(c)AFP/Nina LARSON