【7月4日 AFP】インドネシア沖で3日に発生したフェリー座礁事故で、同国当局は4日、事故の死者・行方不明者がおよそ70人に上ると明らかにした。

 インドネシア・スラウェシ(Sulawesi)島近くの岸から約300メートル沖で座礁したのは全長48メートルのKMレスタリ(KM Lestari)号で、乗客約140人と自動車数十台を乗せて同島から近くのスラヤール(Selayar)島に向かっていた。

 事故の様子を収めた画像には船べりにしがみつく乗客や、海上を浮遊しながら救助を待つ人々の姿が捉えられていた。

 甲板に波が押し寄せ、トラックなどの車両が海に落ちる中、救助隊は強風や高波に悪戦苦闘しながら乗客たちを海から引き揚げた。

 インドネシアの災害当局によると約70人が救出されたものの、この事故で29人が死亡、41人が行方不明となっており、救助隊は現在も不明者数の確認を行っている。

 同国では2週間前、スマトラ(Sumatra)島の観光名所の湖で客船が沈没し、当局は3日に行方不明者160人あまりの捜索を正式に打ち切ったばかりだった。

 インドネシア運輸省によると、今回の事故では悪天候により大型船が座礁したフェリーに接近できなかったため、地元の漁船などが乗客の救助に当たった。ほとんどの乗客は救命胴衣を身に着けていたという。(c)AFP