【7月4日 AFP】ドイツサッカー連盟(DFB)は3日、W杯ロシア大会(2018 World Cup)でグループリーグ敗退に終わったにもかかわらず、同国代表のヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督が続投すると発表した。レーブ監督が率いるドイツ代表は、2014年のW杯ブラジル大会(2014 World Cup)でトロフィーを掲げながらも、連覇が期待された今大会では80年ぶりにグループ敗退を喫していた。

 大会開幕前に2022年までの契約延長に合意していたレーブ監督だったが、今大会ではメキシコと韓国に敗れ、まさかのグループ最下位に終わった。指揮官はロシアから帰国した際、自身の進退を考えていると明かしていたが、DFBは代表チームの「再建」を願っているとして、12年にわたり指揮を執った同監督を全面的にサポートする姿勢を示した。

 ロシアから帰国した際、自身の去就について考えていると話していたレーブ監督は「DFBから再び示された信頼にとても感謝している。早期敗退したことで、批判を浴びて当然であるにもかかわらず、多くの激励とサポートを感じた。私はまだ大きく失望しているが、今はチームの再建を始めたいと考えている。チームを分析した上で新シーズンに向けた話し合いを行い、9月の国際親善試合前に結論を出すことになるだろう」とコメントした。

 レーブ監督に対しては、サミ・ケディラ(Sami Khedira)、トニ・クロース(Toni Kroos)、トーマス・ミュラー(Thomas Mueller)らがサポートの意思を表明しているが、今大会での低調なパフォーマンスを受け、代表メンバーのほとんどが刷新される可能性がある。また、複数の選手が指揮官に対して不満を抱いていると報じられている。

 独日刊紙フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)は、匿名の選手の話として、ロシア大会に出場したチーム内ではベテランと若手に大きな溝があったと伝え、さらには主将マヌエル・ノイアー(Manuel Neuer)への特別待遇に対しても不満があったとしている。ノイアーは脚の骨折で8か月の負傷離脱から復帰したばかりにもかかわらず、スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)で守護神を務めるマルクアンドレ・テル・シュテーゲン(Marc-Andre ter Stegen)を差し置いてグループ全3試合に出場した。

 レーブ監督には、大会前に物議をかもしたメスト・エジル(Mesut Ozil)とイルカイ・ギュンドアン(Ilkay Guendogan)の騒動に対する姿勢にも不満が続出していた。大会前に両選手はトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と会談し、ギュンドアンが「私の大統領へ」と書いたサイン入りユニホームをプレゼントしたことで、ドイツ代表に対する忠誠心が疑われた。

 ドイツ代表のサポーターからブーイングを浴びたエジルは、今回の騒動について大会中は一貫して口を閉ざし、ギュンドアンは「つらい経験」だったと明かした。(c)AFP