■狭い食性

 コアラは特異な食性を持っており、大半の動物に対して毒性があると考えられるユーカリの葉を主食とする。ユーカリの葉はカロリーが少ないため、コアラは葉を大量に摂取しなければならない上、頻繁に眠る必要がある。

 研究では、肝臓の解毒作用に関与する遺伝子を同定した。この遺伝子により、コアラは特殊な採餌行動を取ることができ、他の動物との食物をめぐる競争を回避することが可能となった。

 しかし現在は、農地造成や都市建設のためにユーカリの木の伐採が進んでおり、その生存への圧力が高まっている。コアラの食性の狭さが逆にあだとなってしまっているのだ。専門家らによると今後、地球温暖化によって破壊的な森林火災や樹木枯死の発生リスクはさらに高まるという。

 ヒトのゲノムに存在する遺伝子は約2万個なので、コアラのゲノムはヒトゲノムより大きい。(c)AFP/Mariëtte Le Roux