【7月3日 AFP】マレーシアで、レストランの狭い水槽に入れられたサメの動画がフェイスブック(Facebook)に投稿されたことを発端にネット上でレストランに対する怒りが巻き起こり、サメを海へ逃がすよう求める声が広がっている。

 8秒ほどの動画にはレストラン店内の水槽の中をせわしく泳ぎ回るカマストガリザメの様子が捉えられており、投稿者のダイバーによると、水槽の大きさは幅180センチ、深さ90センチほどしかなかったという。

 首都クアラルンプール郊外にある海中の世界をテーマとするレストランを訪れたこの投稿者は、店内の小さな水槽に入れられたサメが目に入りあぜんとしたという。投稿者はまた「水槽の中を絶え間なく泳ぎ回るサメを見ているうちに心の底から不快感を覚え、気分が悪くなった」と書き込んだ。

 動画は6月29日に公開されてから7月2日までに1万7000回視聴され、283人が共有。コメントの多くは「かわいそうなサメを逃がしてあげて。これはひどい」「こんな場所でどうやって食事できる?」など、狭い水槽に閉じ込められたサメの状況に怒りを表明するものだ。

 カマストガリザメは大西洋からインド洋や太平洋にかけての熱帯・亜熱帯地域沿岸に幅広く生息しており、ナショナルジオグラフィック(National Geographic)のウェブサイトによると最大で体長は約2.4メートル、体重は100キロにもなるという。フカヒレの需要などから捕獲の対象となっており、国際自然保護連合(IUCN)から準絶滅危惧種に指定されている。

 マレーシア自然協会(Malaysian Nature Society)のヘンリー・ゴー(Henry Goh)会長はAFPに対し、サメは自然の海に属する生物で、売り物のペットのように扱うべきではないとの考えを示した。

 現地住民のブログによると、問題のレストランでサメが飼われるようになったのは2015年の4月頃とみられる。(c)AFP