【7月3日 AFP】サッカーブラジル代表のスーパースター、ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)は、W杯ロシア大会(2018 World Cup)決勝トーナメント1回戦で、自身に向けられた批判の声を一蹴した。

 W杯で通算5度の優勝を誇るブラジルは、うだるような暑さとなった2日の試合でネイマールが1得点、1アシストの活躍をみせ、メキシコを2-0でねじ伏せた。しかし、同選手は何でもない相手からの接触に対して過剰な反応を示したとして批判され、その見事なパフォーマンスに傷がついた。

 ネイマールが新たに芝居がかった行為をみせたのは試合の後半で、ピッチにうずくまっていた際にメキシコ代表のミゲル・ラユン(Miguel Layun)に足首の周辺を踏まれたように見えたときだった。同選手はまるで電気ショックを受けたかのように、その場でのたうち回ったり体をよじったりしていた。

 メキシコ代表のフアン・カルロス・オソリオ(Juan Carlos Osorio)監督は、ネイマールの異様な様子に貴重な時間を無駄にされたとして、「あれはサッカー界の恥だ。たった1人の選手のために、われわれは多くの時間を無駄にされた。審判のせいで、後半は自分たちのスタイルを崩されてしまった。サッカー界にとって、あれは非常に悪しき例だ」と嘆いた。

■「まったくの茶番」

 フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)に所属するネイマールのだますような行為に対しては、各ソーシャルメディアでもファンから批判の声が噴出。さらに、元イングランド代表のストライカーで英BBCの仕事でロシア入りしていたアラン・シアラー(Alan Shearer)氏も、「彼の才能は疑いようもない。本当に素晴らしい選手だ。しかし、転げながら苦悶(くもん)している姿は、まったくの茶番だ」とあきれていた。

 それでもネイマールは、この試合のマン・オブ・ザ・マッチに選出されて批判の声を一蹴。周囲からのバッシングは「自分を弱らせる」ためのものだと反発し、「批判されようが称賛されようが、ほとんど気にしない。これで君らの態度にも影響が出るだろうからね。前の2試合で会見に応じなかったのは、話したくなかったから。自分に課せられた仕事は、ただプレーしてチームメートとチームを助けることだ」とコメントした。

 一方、PSGのチームメートでブラジル代表のDFチアゴ・シウバ(Thiago Silva)は、ネイマールが負傷して3か月以上も戦列を離れ、大会直前に復帰したばかりの状態でプレーしていることについて、「特に3か月以上もプレーから遠ざかっていたことを考えると、彼のプレーはすごすぎる。彼のように復活を遂げるのは至難の技だよ」と称賛を惜しまなかった。(c)AFP/Justin DAVIS