【7月3日 AFP】サッカー日本代表の本田圭佑(Keisuke Honda)は、2日に行われたW杯ロシア大会(2018 World Cup)決勝トーナメント1回戦で、ベルギーに無念の逆転負けを喫したとはいえども、チームは将来の青写真を描くことができたという認識を示した。

 西野朗(Akira Nishino)監督が率いる日本は、ロストフナドヌー(Rostov-on-Don)で行われた一戦で、原口元気(Genki Haraguchi)と乾貴士(Takashi Inui)の得点で2-0とリードし、史上初のベスト8入りを果たすかと思われた。しかし、反撃を仕掛けたベルギーが、後半アディショナルタイム4分にナセル・シャドリ(Nacer Chadli)が決勝ゴールを決め、ブラジルとの準々決勝に駒を進めた。

 これで日本は2002年日韓大会と2010年南アフリカ大会に続き、またしても決勝トーナメント1回戦を突破することができなかった。しかし、同世代の日本の選手を代表する存在の本田は、今回の敗戦は8年前のパラグアイ戦でPKの末に惜しくも敗れたときとは比較にならないと主張した。

 グループステージのセネガル戦ではチームが2-2で引き分ける同点ゴールを決め、この日は後半から途中出場を果たした本田は、「当時の日本代表は90パーセントが国内でプレーしている選手で、欧州組は3、4人にすぎなかった。ただ、ロングボールを出してボールを保持できず、きょうのように好機をつくることもできなかった。だから、比較にならない。きょうは、日本サッカーの成長ぶりを示せた」とコメントした。

 その一方で現在32歳の本田は、通算100キャップを目前にして代表から引退する意向を示し、「おそらく日本代表としてのキャリアはこれで最後になるだろうが、たくさんの若手が僕らに続いているので満足だ。それに、彼らは日本サッカー界に新たな歴史を刻んでくれると思う」と話した。

 今大会に出場した日本代表の多くは欧州でプレーしており、かつてロシア1部リーグのCSKAモスクワ(CSKA Moscow)とイタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)に所属し、現在はメキシコでプレーしている本田は、これから欧州のクラブがJリーグ1部(J1)にもっと注目するようになることを期待している。

「僕らはスペインサッカーから多くを学んだ。日本はフィジカルでは劣るけれど、技術を持っているし、優秀なMFがいる。Jリーグにも才能豊かな選手がたくさんそろっていて、スペインやドイツでもプレーできる。欧州の観客に対して、国内の選手だけでなくもっと日本の選手を起用するべきだというメッセージを与えられただろう。彼らが新たな才能をたくさん見いだしてくれることを期待している」

 サムライブルーが挑む次の大会は、来年1月にアラブ首長国連邦(UAE)で開催される第17回アジアカップ(2019 AFC Asian Cup)となっている。しかし、イングランド・プレミアリーグのサウサンプトン(Southampton FC)でプレーするDFの吉田麻也(Maya Yoshida)は、日本代表として将来のW杯では準々決勝進出を実現させる必要があるとして、「日本が前進して成長していくためには、常に決勝トーナメント1回戦を突破できるようにすることが必要だ。そうすれば10年とか20年後には、それが当たり前の状況になっていくだろう」と語った。(c)AFP/Andy SCOTT