【7月2日 AFP】(更新)欧州連合(EU)は2日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が自動車の輸入関税の適用に踏み切った場合、EU側の対抗措置により、米国側の輸出において最大で2940億ドル(32兆5000億円)相当の影響が出る可能性があると通告した。

 トランプ大統領は先に、通商上中国と同規模の問題を突き付けているのがEUだと名指しし、特に強く批判しているEUからの輸入自動車に20%の関税を課して対抗すると警告していた。

 これを受けてEU加盟28か国の通商政策をつかさどる欧州委員会(European Commission)は、米当局に宛てて書簡を送付。

「関税を引き上げれば、何より米経済にとって有害になることが、経済分析でも示されている」として、「最大で2940億ドルの米輸出が…米経済のさまざまな部門に対して講じる対抗措置にさらされ得る」という見方を示した。これは昨年の米国の総輸出額の19%に相当するという。

 さらに、欧州の自動車メーカーが米経済に大きく寄与してきたことを強調。「昨年、米国に拠点を置くEU企業は290万台近い自動車を生産した。これは米国における全生産台数の26%を占める」と記した。

 特にトランプ大統領の安定した支持基盤として知られる南部のサウスカロライナ州、アラバマ州、ミシシッピ州、テネシー州をはじめ、全米各地の工場で12万件の雇用を直接・間接的に支えているのがこれらEU企業だと指摘した。(c)AFP