【7月1日 AFP】先天性四肢切断のため、生まれつき下肢がないマヤ・メルヒ(Maya Merhi)さん(8)はこれまで、プラスチック製の管材と空き缶でつくられた義足でシリア国内の避難民キャンプを渡り歩いていた。

 しかしAFPがシリアで撮影したものを含むマヤさんの姿を捉えた写真が世界で反響を呼び、トルコ・イスタンブール(Istanbul)の病院で治療を受けられることになった。マヤさんの人生は変わろうとしている。

 イスタンブールの病院でマヤさんの主治医を務める義肢の専門家メフメト・ゼキ・チュルジュ(Mehmet Zeki Culcu)医師は「マヤさんは歩けるようになる」と語った。「神のおぼしめしがあれば3か月以内に」

 マヤさんは元々シリアのアレッポ(Aleppo)県南部の田舎で暮らしていたが、7年にわたるシリア内戦でトルコに来る直前まで北西部イドリブ(Idlib)県の避難民キャンプで父親と共に暮らしていた。

 マヤさんの義足は父親のモハマド(Mohammad Merhi)さん(34)が作ったものだった。モハマドさんもマヤさん同様、先天性四肢切断のために生まれつき下肢がない。モハマドさんにはマヤさんの他に5人の子どもがいるが、先天性四肢切断はマヤさんだけだという。

 マヤさんが避難民キャンプ周辺を苦労して歩く写真は世界中に大きなインパクトを与えた。これを受けてトルコ赤新月社(Turkish Red Crescent)が介入に乗り出した。2人はトルコ当局によってシリアからイスタンブールに移送され、専門病院で治療を受けることになった。

 父親と同様、マヤさんは歩くよりはった方が速く移動することができた。しかし最近受けた下肢を短くする手術によってはって移動することが困難になった。