【7月1日 AFP】タイのチェンライ(Chiang Rai)県で、増水したタムルアン(Tham Luang)洞窟に閉じ込められたサッカーチームの少年12人とコーチ1人の捜索は6月30日も続けられた。救助のダイバーらが浸水した洞窟の入り口から数キロメートル奥に入ることに成功し、必死の捜索活動にかすかな望みをつなげた。

 11~16歳の少年と25歳のコーチは、先週末の先月23日にタムルアン洞窟に入って消息を絶った。大雨による増水で洞窟の入り口付近の穴が水に漬かってダイバーが洞窟に入れなくなるなど、24時間態勢の救助活動は困難な状況に見舞われていた。

 しかし、チェンライ県知事によると、海軍の特殊部隊は、少年らがいると思われるところまでわずか2~3キロメートルの洞窟内のT字路のようになっている場所に到達した。救助のダイバーらすでに一度はこの場所に到達していたが、洪水が押し寄せたため撤退を余儀なくされていた。今回の捜索でダイバーらは、視界がほとんどない泥水の中を長時間泳げるよう酸素入りのボトルを洞窟の壁に差し込んだ。

 ミャンマーとラオス国境に近い同地域ではいまだに大雨が続いているものの、洞窟内から排水するため設置された数十台のポンプによって、複雑な形状の洞窟内の水位は下がり始めている。チェンライ県知事は「今日の状況は、昨日やそれ以前よりも良くなっている。(入り口付近の)全ての空洞にたまった水を排出したので、水位はだいぶ下がった」と報道陣に語った。

 一方、いくつかのチームに分かれた救助隊は、洞窟上に広がる深いジャングルの中に新たな洞窟の入り口を探している。チームの一つは40メートル掘り下げた先に泥のたまった空洞があるのを発見し、県知事はこれを「見込みのある」手掛かりだと述べた。しかし、現時点でこの穴が洞窟の本体につながっている確証はない。さらに別の箇所でも地中に続く煙突状の穴が見つかった。また、救助ヘリコプターが食料、水、医薬品を輸送した。

 タイの救助隊員約1000人の他、米軍から派遣された30人以上の要員や、オーストラリア、中国、日本からの専門家も捜索に加わっている。(c)AFP/Sippachai KUNNUWONG, with Jenny Vaughan in Bangkok