【6月30日 AFP】米国のジョン・サリバン(John Sullivan)国務副長官は29日、モロッコの首都ラバトを訪問し、同国の西サハラ(Western Sahara)に自治権を付与する案への支持を表明した。

 サリバン副長官はナッセール・ブリタ(Nasser Bourita)外務・国際協力相と会談した後の記者会見で「われわれはモロッコの西サハラへの自治権付与案を、西サハラ問題に対応し得るアプローチの一つとみなしている」と語った。「西サハラの人々の強い願望を満たすことのできる非常に現実的で見込みのある案だ」

 モロッコは元スペイン植民地の西サハラの領有権をめぐり、1975年から1991年にかけてアルジェリアの支援を受けた武装組織「ポリサリオ戦線(Polisario Front)」と衝突。モロッコが西サハラを占領した後、国連(UN)の仲介で停戦した。

 モロッコは資源が豊富な西サハラを固有の領土とみなし、自治権の付与を提案している。しかしポリサリオ戦線は国連による独立の是非を問う住民投票の実施を主張している。国連の仲介で和平交渉が行われたが、2008年の会合を最後に外交交渉は行き詰まっている。

 サリバン氏のラバト訪問と同時に、国連のホルスト・ケーラー(Horst Koehler)西サハラ特使も同地を訪問し、モロッコとポリサリオ戦線の新たな対話を後押ししている。モロッコは交渉においては自治権付与案に重点を置くべきとの立場を維持している。(c)AFP