【6月30日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)は29日、女子シングルスの組み合わせ抽選が行われ、通算7度の優勝を誇り、母親になってから四大大会(グランドスラム)では初のタイトル獲得を目指すセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)は、1回戦でオランダのアランチャ・ラス(Arantxa Rus)と対戦することが決まった。

 昨年9月に長女アレクシス・オリンピア(Alexis Olympia)ちゃんを出産して長い間戦列を離れ、今年は実戦の数が限られている36歳のセレーナは、世界ランキングが183位に後退しているにもかかわらず、オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)の大会主催者から第25シードを与えられた。

 出産休暇を経て本格的な復帰を果たした先日の全仏オープンテニス(French Open 2018)では、長年の宿敵マリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)との4回戦の直前に肩を痛めて棄権したものの、ノーシードながらもベスト16入りを果たしている。

 グランドスラム通算23勝を誇り、2017年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)を最後にメジャータイトルから遠ざかっているセレーナは、連覇を達成した2016年大会以来となるウィンブルドンで世界107位との初戦を突破すれば、2回戦の相手はテレサ・スミツコヴァ(Tereza Smitkova、チェコ)とビクトリア・トモバ(Viktoriya Tomova、ブルガリア)の勝者となるが、それ以降の戦いは厳しいものになっていくと思われる。

 今大会でシード権を与えられたことに多くの選手が不満を表明するなか、3回戦では第5シードのエリナ・スビトリーナ(Elina Svitolina、ウクライナ)、4回戦でマディソン・キーズ(Madison Keys、米国)という強豪を迎え撃つことになるとみられるセレーナは、準々決勝に勝ち進めば親友で今年の全豪オープンを制覇したキャロライン・ウォズニアッキ(Caroline Wozniacki、デンマーク)と顔を合わせることになる。

 さらに準決勝では、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)女王のスローン・スティーブンズ(Sloane Stephens、米国)か、前回大会で準優勝を果たした姉のヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)が待ち受けている可能性があり、決勝では世界ランク1位のシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)か前回覇者のガルビネ・ムグルサ(Garbine Muguruza、スペイン)がセレーナの前に立ちはだかるとみられる。

 第3シードのムグルサがナオミ・ブローディ(Naomi Broady、英国)との1回戦でスタートする一方で、2004年大会の女王シャラポワは、初戦で同胞のビタリア・ディアトチェンコ(Vitalia Diatchenko)と対戦することになった。2014年を最後にグランドスラムのタイトルから遠ざかっているシャラポワは、さらに3回戦で元全仏オープン女王のエレナ・オスタペンコ(Jelena Ostapenko、ラトビア)と顔を合わせるとみられる。

 先月の全仏オープンで悲願のグランドスラム初制覇を果たした第1シードのハレプは、1回戦の相手が奈良くるみ(Kurumi Nara)に決定。順当に勝ち進めば、4回戦では昨年大会の準々決勝で互いに激闘を演じた英国のジョアンナ・コンタ(Johanna Konta)との再戦を果たすことになる。

 通算2度のウィンブルドン制覇を誇るペトラ・クビトバ(Petra Kvitova、チェコ)は、準々決勝でハレプと激突する可能性があり、さらに準決勝ではムグルサか第6シードのキャロリン・ガルシア(Caroline Garcia、フランス)との大一番が控えているとみられる。

 クビトバは2016年に自宅で強盗に刺されるという恐ろしい事件を乗り越えて復帰を果たし、前週のネーチャーバレー・クラシック(Nature Valley Classic 2018)でグラス(芝)コートを制するなど好調を維持している。(c)AFP/Steven GRIFFITHS