【6月30日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)のスーパースター、レブロン・ジェームズ(LeBron James)が29日、所属チームのクリーブランド・キャバリアーズ(Cleveland Cavaliers)に対して3560万ドル(約39億4000万円)の契約オプションを行使しないと通達し、フリーエージェント(FA)の目玉になると複数メディアで伝えられた。

 米クリーブランド(Cleveland)の地元紙プレーンディーラー(The Plain Dealer)をはじめ、USAトゥデー(USA Today)紙、米スポーツ専門チャンネルESPN、そしてクリーブランドの各テレビ局の報道によると、ジェームズは29日の午後11時59分(現地時間)に設定された期限の数時間前にFA宣言をしたとされている。

 NBAファイナルには8季連続にして合計9回出場し、通算4度のシーズン最優秀選手(MVP)選出を誇るジェームズに熱烈なオファーをするとみられるチームには、ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)、ヒューストン・ロケッツ(Houston Rockets)、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ(Philadelphia 76ers)の名前が挙がっている。

 2016年に自身の地元であるクリーブランドにとって1964年以来のタイトルをもたらしたジェームズには、キャバリアーズとの契約を更改する可能性も残っている。しかし、今月行われた2017-18シーズンのファイナルではウォリアーズにスイープで敗れており、最近4シーズンでタイトルを3度獲得している王者に対抗できるチームでプレーしたいと公言している。

 ジェームズは2010年にキャバリアーズからマイアミ・ヒート(Miami Heat)に移籍し、ファイナルに4度出場し2度のタイトル獲得に成功すると、2014年に古巣へ戻って優勝を請け負った。その誓いを果たしたジェームズは、今年のファイナル終了後に自身の将来に関する計画を決める前に家族と相談する意向を示し、敗退が決まった前回のファイナルの後、「やりかけた仕事があると感じ、ここに戻ってきた。2年前に優勝チームの一員になることができ、そのときのことは生涯忘れないものとなった」と話していた。

 来月1日に幕を開けるFA市場では激しい争奪戦が繰り広げられると予想されており、各チームはジェームズのほかにオクラホマシティ・サンダー(Oklahoma City Thunder)からFAとなったポール・ジョージ(Paul George)らトップスターを獲得するため、タレントや資金集めに奔走することになる。

 ジェームズが自宅や映画製作会社を保持しているロサンゼルスでは、レイカーズがトップのFA選手獲得を目指しており、サンアントニオ・スパーズ(San Antonio Spurs)からカウィ・レナード(Kawhi Leonard)のトレード話をまとめる可能性がある。

 キャバリアーズはNBAの規定内で最も高額となる5年総額2億900万ドル(約231億4000万円)の提示が可能で、ジェームズも短期契約にサインできるとみられている。しかし、サラリーキャップに十分な余裕があるレイカーズが、ジェームズとジョージに加え、ドラフト指名権や数人の選手と引き換えにスパーズからレナードを獲得する可能性が取り沙汰されている。

 一方、ジェームズがセブンティシクサーズに加入すれば、オーストラリア出身で今季の新人王に輝いたベン・シモンズ(Ben Simmons)とジョエル・エンビード(Joel Embiid)ら若手スター選手とプレーすることになり、ロケッツに移籍すればジェームズ・ハーデン(James Harden)やクリス・ポール(Chris Paul)との豪華共演が実現することになる。(c)AFP