【6月28日 AFP】米テキサス州で27日、「アイスピック殺人鬼」の異名で恐れられた連続殺人犯ダニー・バイブル(Danny Bible)死刑囚(67)に対し、薬物注射による死刑が執行された。バイブル死刑囚は直前に、銃殺か毒ガスによる死刑執行を求める異例の申し立てを行っていた。

 テキサス州での死刑執行は今年7人目。バイブル死刑囚は27日午後6時32分(日本時間28日午前8時32分)に死亡した。最後の言葉は言い残さなかった。

 バイブル死刑囚は、1979年にイネス・ディートン(Inez Deaton)さん(当時20)を殺害した罪で、2003年に死刑判決を受けた。ヒューストン(Houston)の小川のそばで発見されたディートンさんの遺体には、アイスピックで何度も刺された痕があった。このほか、バイブル死刑囚は複数の子どもへのわいせつ行為と多数の女性に対するレイプ、4人の殺害を自白していた。

 バイブル死刑囚の弁護団は、パーキンソン病などの病気を理由に、静脈注射は難しいと主張し、銃殺か毒ガスによる死刑執行を求める申し立てを行っていた。しかし、米最高裁判所は27日に申し立てを却下。ただちにバイブル死刑囚の刑は執行された。

 テキサス州法では、薬物注射による死刑しか認めていない。このため、仮にバイブル死刑囚の申し立てが通った場合は刑の執行が少なくとも1年延期され、州議会が薬物注射以外の死刑執行手段を検討する必要があった。(c)AFP