【6月27日 AFP】不法移民の収容、韓国との合同軍事演習の中止、「宇宙軍」の創設など、かつてドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の信頼を得ていたジェームズ・マティス(James Mattis)国防長官は、大統領からの意に沿わない指示を実行させられる立場に追い込まれている。

 米メディアは、米政権の権力構造を見ると中央情報局(CIA)長官だったマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)氏がポンペオ氏よりはるかにおとなしかったレックス・ティラーソン(Rex Tillerson)氏の後任として国務長官に就任し、タカ派のジョン・ボルトン(John Bolton)氏が大統領補佐官に任命されたことによって、海兵隊出身で元中央軍司令官であるマティス氏の地位が下がったとしている。

 政権内の情報筋がNBCニュース(NBC News)に明らかにしたところによると、トランプ氏は「指示した政策の実行をぐずぐず引き延ばしている」としてマティス氏から距離を置くようになっているという。

 ジェームズ・クラッパー(James Clapper)前国家情報長官は米CNNに対し、「彼(マティス氏)が自分は無力で発言力も影響力もないと感じるようになれば、いつまで職にとどまるか分からない」と述べ、トランプ氏がマティス氏を脇に追いやるならマティス氏は辞任するかもしれないとの見方を示した。

 トランプ政権で数少ない穏健な人物とみなされているマティス氏はこの数週間、いくつもの面倒な問題への対処を強いられている。(c)AFP/Sylvie LANTEAUME