【6月27日 AFP】米カリフォルニア州で雇用先の企業から年齢差別を受けて退職を余儀なくされたとして、元従業員の女性(58)が損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、ロサンゼルス郡上級裁判所(Los Angeles Superior Court)であり、陪審団は女性側の主張を認め、企業側に2800万ドル(約31億円)の賠償の支払いを命じた。女性の弁護士によると、年齢差別に対する賠償額としては同郡の歴史で最高となった可能性があるという。

 訴訟を起こしたのは、コディー・ラエル(Codie Rael)さん。首都ワシントンに拠点を置く医療機器メーカー、ダナハー(Danaher)傘下のサイブロン・デンタル・スペシャルティーズ(Sybron Dental Specialties)とカボ・カー・グループ(KaVo Kerr Group)で働いていたが、上司からの嫌がらせに耐えきれなくなり、退職を余儀なくされたと訴えた。

 ラエルさんは両社で原材料のバイヤーやプランナーをしていたが、上司らから「時代遅れ」「もっと若い従業員が必要」「頭の悪い女」などとたびたび言われ、2014年10月にストレスのため退職した。法廷文書によれば、代わりに採用されたのは20代の男性だった。

 陪審団は雇用先の2社に対し、懲罰的損害賠償としてそれぞれ1600万ドル(約17億6000万円)と1200万ドル(約13億2000万円)の支払いを命令。ラエルさんは先週、同じ裁判で賠償300万ドル(約3億円)を認められていた。

 法廷の外でラエルさんは、うれし涙をこらえながら今回の評決は「全く予想していなかった」とコメントした。(c)AFP