【6月26日 AFP】ルーマニアの検察当局は25日、同国が共産主義体制下にあった1980年代に児童養護施設で340人の子どもが死亡したとの告発を受け、捜査を開始した。この件について調査・告発を行った調査機関は、育児放棄が子どもたちの死の一因だったとしている。

 共産主義時代に行われた犯罪を調査している同機関によると、北部シレト(Siret)の児童養護施設で1980年から1989年にかけ、子ども340人が死亡していたという。施設は1956年に開設され、2001年に閉鎖されるまで神経疾患の小児患者8500人を受け入れていた。

 同機関はここ2年で2回刑事告訴しており、前回の告訴では1966~1991年に施設3か所で少なくとも子ども771人が死亡したと告発した。

 複数の証言によると、1983年には多くの子どもたちが別の施設に移送される途中に「野外に置き去りにされて凍死した」事件も起きていたという。

 同国の独裁者だったニコラエ・チャウシェスク(Nicolae Ceausescu)元大統領は1966年に妊娠中絶を法律で禁止するなど、厳格な人口増加政策を推進した。(c)AFP