■決定的証拠

 ドイツのノイマルク・ノルト(Neumark-Nord)遺跡での最新の発見により、この議論の不確かな部分が取り除かれたと、ゴージンスキ・ウィンドヒューザー氏は指摘する。「やりの使い方に関する限り、よく知られた『決定的証拠』と適合する『犯行場面』が今回の研究でついに得られた」

 1980年代からノイマルク・ノルト遺跡で行われている湖岸の発掘作業では、アカシカやダマジカ、ウマやウシなどの大型哺乳動物の骨が多数発見されている。

 また、同じ発掘調査では数千個に及ぶ石器が見つかっており、13万5000年~11万5000年前の間氷期の当時は森林環境だったこの地域に繁栄したネアンデルタール人の集落が存在したことを裏付けている。

 今回の調査対象となった古代のシカの骨は20年以上前に出土したものだが、どの傷が致命傷になったか、どのような種類の武器が使われたか、やりは遠くから投げたのか、それとも至近距離から突き刺したのかなどの謎の解明に最新技術が助けになった。(c)AFP/Marlowe HOOD