【6月25日 AFP】オーストラリア・タスマニア(Tasmania)州の裁判所は25日、コガタペンギン6羽を棒で殴って殺した罪で有罪と認められた男に49時間の社会奉仕活動を命じ、自然保護団体から非難が殺到している。

 ジョシュア・ジェフリー(Joshua Jeffrey)被告(20)は2016年、同州ソルファークリーク(Sulphur Creek)の海岸で他の2人と共に酒を飲み、酔った状態でペンギンを殴り殺したとして、加重動物虐待で有罪との判断が下っていた。

 地元マーキュリー(Mercury)紙は、同州バーニー(Burnie)治安判事裁判所のタマラ・ジャゴ(Tamara Jago)判事が「か弱いペンギン」に対する「無情な行為」であり、ジェフリー被告が改悛(かいしゅん)の情を示していないと指摘したと報じた。

 同紙によると、ジャゴ判事は被告の「知的限界を考慮」し、社会奉仕活動と訴訟費用82.15豪ドル(約6700円)の支払いを命令。これに対し地元野鳥保護団体「バードライフ・タスマニア(Birdlife Tasmania)」は、「全くもって抑止力になり得ない」と非難した。

 豪ABCはジェフリー被告の弁護士の話として、同被告が幼少時代から精神衛生上の問題を抱えていると伝えている。

 世界最小種で、最長24年生きられるというコガタペンギンは、オーストラリア南部とニュージーランドのみに生息し、中でもタスマニア州には世界総数の約半分が暮らしている。(c)AFP