【6月23日 AFP】アフガニスタン南部カンダハル(Kandahar)州で21日夜、旧支配勢力タリバン(Taliban)が道路建設キャンプ地を襲撃、43人を拉致し警官4人が死亡した。州知事報道官が22日、AFPに明らかにした。タリバンは政府側との停戦延長を拒否し、戦闘を再開していた。

 拉致された43人には技術労働者や調理師、運転手などが含まれている。作業員らを救助するため出動した治安部隊とタリバンの間で銃撃戦となり、警官4人が死亡、1人が負傷した。

 タリバンは犯行声明を出し、襲撃の当初の標的は警察の検問所だったとAFPに明らかにした。警官らが検問所から逃げて建設作業員らが眠っていたキャンプ地に入ったため、誰が警官か分からなくなり「多くの」人を拉致することにしたという。

■西部バドギス州では政府系民兵と衝突

 同じ21日夜、西部バドギス(Badghis)州でタリバンと政府系民兵が衝突し、民兵側に少なくとも8人の死者と6人の負傷者が出た。戦闘は約2時間続き、治安部隊が鎮圧したという。州知事報道官が明らかにした。

 バドギス州評議会アブドルアジズ・ベグ(Abdul Aziz Beg)議長は、民兵の死者を16人としている。

 政府側とタリバンはイスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」明けの祭り「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」に合わせ15日から3日間、前例のない停戦を実施した。政府は停戦の延長を求めたがタリバンはこれを拒否し、18日に戦闘を再開していた。(c)AFP