【6月23日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)、コスタリカとのグループE第2戦で最後のシュートを放つまで96分間フラストレーションを募らせたものの、ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)とブラジルのW杯がようやく始まった。

 サンクトペテルブルク(St. Petersburg)でネイマールは、キレのない自分、相手GKケイロール・ナバス(Keylor Navas)、そしてビョルン・カイペルス(Bjorn Kuipers)主審と戦った。

 後半ロスタイムにフィリペ・コウチーニョ・コレイア(Philippe Coutinho Correia)が試合の均衡を破ると、ブラジルは自信を取り戻した。ドウグラス・コスタ(Douglas Costa)のクロスに合わせて勝利を決定づける2点目を挙げたネイマールは、試合終了のホイッスルが鳴ると泣き崩れ、ロシアでの初勝利に胸をなで下ろした。

 ネイマールが欠場した母国開催の前回大会(2014 World Cup)準々決勝でドイツに喫した1-7の大敗の亡霊を今も引きずっているブラジルは、これまでの戦いで悪夢の再現が頭をよぎった。

 1-1で引き分けた17日のスイスとの初戦で多くのファウルを受けたネイマールだったが、カイペルス主審は必要以上にファウルを取らず、FKをアピールするのではなく立ち上がるよう何度もネイマールに指示した。

 しかし経験豊富なカイペルス主審は、後半30分にジャンカルロ・ゴンサレス(Giancarlo Gonzalez)にネイマールが倒されたとしてペナルティースポットを指さしたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)との協議の結果判定を覆した。

 そしてその数分後、コスタリカの選手が時間稼ぎのため相次いで転倒する中、ネイマールはカイペルス主審の目の前でボールを地面に殴りつけて警告を受けた。

 チームの決定力不足とコスタリカの必死の抵抗にネイマールの怒りは沸点に達そうとしていた。ブラジルは欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)優勝を3度経験しているナバスにチャンスを何本も阻まれた。

 後半ネイマールは決定機を迎えたが、シュートは枠を捉えきれず、顔をユニホームで覆い最大のチャンスを逃したかに見えた。しかし、ネイマールは終了間際にコスタのパスに合わせてゴールネットを揺らした。この劇的勝利はブラジルに勢いをつけるかもしれない。

 2月に足を骨折してから4試合目の出場を果たしたネイマールは、90分フル出場はこの日が2度目だった。なお、ブラジルのチッチ(Adenor Leonardo Bacchi aka Tite)監督は、ネイマールがベストな状態を取り戻すまで5試合必要だと以前から話している。(c)AFP/Kieran CANNING