■家の庭には地溝油19トン分

 房山検察院の宋検察官によると、張被告陳被告の夫婦は2013年から地溝油を作り始め、車で大興、昌平、通州(Tongzhou)などの料理店を巡り、代表的な四川料理である「水煮魚」などに使われた唐辛子や山椒など厨房で出た廃棄物を買い取り、地溝油に加工した後、料理店だけでなく正規の専門加工会社にも売っていた。

 夫婦の供述によると、販売価格は透明の油と赤色の油が500グラムあたり3元~3.5元(約50~60円)で、唐辛子の種が500グラムあたり1.9元(約32円)だったという。

 被告の家の庭には、地溝油が詰まった容器が大量に発見された。50キロ入りのプラスチック容器255個のほか、190キロ入りのドラム缶6個、唐辛子廃棄物の詰まった樹脂製袋1026個、合計19トンに上った。

 張被告は審理の中で、2008年頃から料理店に野菜を納入する仕事をする中で、厨房で多くの「水煮魚」の残菜が大量に捨てられていることを知った。「水煮魚」の残菜の唐辛子や山椒はいいもうけになると聞き、倉庫を借りて自分も商売を始めたという。2015年から17年9月までの間に、25トンの厨房ゴミを回収し14万元(約2370万円)を稼いだという。

■地溝油と分かっていても買う「金もうけのため」

 なぜ地溝油を使うのかという質問に対し、料理店経営者の王被告は「加工済みの地溝油だと知っていたが、金もうけのためにやった」、「火鍋の素」を作った蔡被告は「原価を抑えて金をもうけるためにやってしまった」とそれぞれ述べた。

 法廷審理の最後には、陳被告の弁護士が陳被告の診断書を提出。「55歳の陳被告は小学校しか出ておらず、法律の知識がない。糖尿病と高血圧を患っているので判決に当たっては配慮をしてほしい」とした。

 この事件は、引き続き審理が続いている。(c)東方新報/AFPBB News