【6月21日AFP】韓国の動物愛護団体は20日、同国の裁判所が犬の食肉処理を違法とする判断を示したことについて、犬食の違法化に道を開く画期的な判決だとの見解を示した。

 犬肉は長く韓国の食文化の一部とされており、毎年100万匹ほどが食べられていたとみられる。

 しかし韓国人の間で犬は人間の最良の友だという考えが広まるにつれ、犬肉の消費量は減少。また、犬食は若い世代の間で一種タブー視されており、活動家からの非難の声も高まっている。

 法的に犬食は合法とも違法とも言い難く、特定の法律で禁止されているわけでもない。しかし平昌冬季五輪のような国際イベントの前になると、当局は衛生規制や残虐な食肉処理の方法を禁じる動物愛護法を引き合いに、養犬場や犬肉を提供する飲食店の取り締まりを行っている。

 動物愛護団体「CARE」は昨年、「正当な理由なく動物を殺害している」として富川(Bucheon)市の養犬場運営業者を告発。後に業者は検察に起訴された。

 富川市の裁判所は今年4月、食肉としての消費は犬を殺す法的な根拠とならないとして業者に有罪判決を下し、300万ウォン(約29万円)の罰金刑を言い渡した。

 判決の詳細が今週になって明らかにされたことを受け、CAREの弁護士はAFPの取材に対し「食肉のために犬を殺害することは違法であるとの最初の判決であり、非常に重要だ」と強調した。

 一方で養犬場組合の代表はテレビ局の取材に対し、「言語道断だ。食肉処理を気まぐれで動物を殺すことだとみなす判決など受け入れられない」と憤った。(c)AFP