【6月21日AFP】英イングランドの病院で「医学的な根拠」のない鎮痛剤が投与された結果、450人以上の患者が死亡していたと、20日に公表された第三者委員会の報告書が明らかにした。

 元リバプール(Liverpool)主教のジェームズ・ジョーンズ(James Jones)氏率いる第三者委員会は、英南部ゴスポート(Gosport)のゴスポート・ウォー・メモリアル病院(Gosport War Memorial Hospital)における1989~2000年の死亡事例を調査し、結果をまとめた報告書を発表した。

 同委員会は声明を発表し、「医学的根拠のないオピオイドの処方・投与によって患者456人が死亡したと、当委員会が調べた病院の記録は示している」と指摘。

 また紛失した記録の分も考慮に入れると、強力な薬の投与という「慣行化していた業務」の直接の結果として、さらに200人が死亡した可能性もあるという。

 報告書によると、同院で横行していた処方の慣行の責任はジェーン・バートン(Jane Barton)医師にあったという。また、複数の看護師が1990年代前半にジアモルヒネの処方について懸念を示していたものの、それらは「無視された」という。

 テリーザ・メイ(Theresa May)英首相は患者たちの死が「想像できないほどの苦痛を家族にもたらした」と述べ、報告書について「大変心が痛むもの」だと語った。(c)AFP