【6月22日 CNS】中国のEコマースシンクタンクである電子ビジネス研究センター(100EC.CN)が発表した「2017年中国インターネット小売市場データの観測報告」によると、同年の国内でのネット小売市場の取引規模は、7兆1751億元(約122兆円)に達した。2016年と比べて39.17%の伸びで、2018年は9兆3863億元(約160兆円)規模になる見込みだとしている。

 統計によると、2017年の全国の小売り総額は36兆6262億元(約623兆円)で、ネット小売市場の取引規模は、このうち19.6%を占め、前年と比べて4.7%増。2018年のインターネット小売市場は22.7%に達する見込みだ。

■Eコマース利用者は5億3300万人

 ネット小売市場が浸透するのに従い、Eコマースが経済発展に占める地位がますます重要になってきている。Eコマースがもたらす利便性は、現代人の消費習慣も変えた。これまで現金での消費に慣れてきた消費者は、「インターネットショッピング」ブームの中で、さらに多くの消費方法が選べるようになった。

 報告では、2017年末時点の中国のネットショッピング利用者の規模は5億3300万人に達した。2016年比14.3%増で、ネットユーザー全体の69.1%を占めるようになった。

 電子ビジネス研究センターの曹磊(Cao Lei)主任は報告書で、「モバイル端末を利用したオンラインショッピングの割合が高まるのにつれて、SNSを活用したEコマースである「ソーシャルコマース」の成長が顕著になってきた。『未来の小売り』の発展は非常に速く、新たな業種を形成している」とまとめている。

 同センターのネット小売り部門の呂昊澤(Lv Haoze)アナリストによると、「業界の発展は日増しに成熟している。各Eコマースのプラットホームは引き続き、商品種類の拡充やアフターサービス、物流の合理化を実施しているほか、積極的に世界的なオンライショッピングや、農村におけるEコマースの発展を推し進めている」と考えている。

 こうしたことから分かるように、2017年の中国ネット小売市場あるいは「インターネット小売り」ブームは、従来のオフラインの小売りとオンラインの小売りを融合し、多くの成長をもたらした阿里巴巴(アリババ、Alibaba)が進める「新小売」にしろ、京東(JD.com)が進める「無界小売(ボーダーレス小売)」にしろ、これまでにない速度と影響力で、地球規模の小売業に大きな変革をけん引している。

 電子ビジネス研究センターの曹主任は、『新小売』の影響のもと、実体のある小売り業者が購入、在庫管理、販売、会員サービスなどのデータを共有し、従来の小売りの流通ルートを短くした。『バーチャル試着室』や『視覚識別技術』など『黒科技(ブラックテクノロジー)』と呼ばれる先端技術の活用は、従来の小売業に対して改革を促し、消費体験を絶え間なく高めてくれるだろう」と話した。(c)CNS/JCM/AFPBB News