【6月20日 AFP】北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党委員長が19、20両日、中国を訪問していることを報じた。金委員長の訪中は今年3回目。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領との歴史的な米朝首脳会談を終えたタイミングで、北朝鮮にとって主要な同盟国である中国に忠誠心を示すための訪問とみられる。

 KCNAによると金委員長は習近平(Xi Jinping)国家主席との会談で、成功裏に終わった米朝首脳会談に対する中国の「積極的で誠実な大きな支援」に感謝を示したという。

 北京の人民大会堂(Great Hall of the People)で儀仗(ぎじょう)兵や歓声を上げる子どもたちに迎えられた金委員長は、中朝間で「最近、強化された戦略的協力関係」を高く評価すると述べた。

 KCNAは、金委員長が「朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)と中国の両党間、両国民間の緊密な友好、結束、協力関係をさらに発展させる決意と意思を示した」と伝えた。

 金委員長はトランプ氏との会談を経て、朝鮮半島の非核化への期待もかき立てた。習主席は金委員長に、中国は米朝首脳会談を「称賛している」と伝えた。また米朝にシンガポールで結んだ合意の履行を促し、さらに朝鮮半島の非核化において、中国政府が引き続き「建設的な役割」を担っていくと明言した。

 中朝両国の国営メディアは、北朝鮮に対する国連(UN)制裁緩和の見通しについて、習主席と金委員長が話し合ったかどうかは明らかにしなかった。しかしアナリストらは議題に上ったとみている。(c)AFP