【6月20日 AFP】米国の地方部に暮らす人々は、都市部住民に比べて喫煙率と肥満率がはるかに高いことが、19日に発表された研究論文で明らかになった。関連する多くの健康問題へのリスクも、地方部の住民の方がはるかに高かった。

 2型糖尿病、心臓病、一部のがんや関節炎などの多くの慢性疾患は肥満と関連がある。研究チームは、地域的な傾向を理解することが、より効果的な診療戦略を策定する助けになると考えられるとしている。

 米国医師会雑誌(JAMA)に掲載された今回の論文は、米国の成人約1万1000人および若者と子ども約7000人に関する調査データに基づいており、調査の結果、若者と子どもの間では「重度の肥満の割合は大都市部より地方部の方が高い」ことが分かった。

 体格指数(BMI、身長と体重から算出される肥満度を測るための指標)による定義では、40以上が重度の肥満とされる。論文では「肥満の割合も同様の傾向を示していたが、統計的に有意なレベルではなかった」と記された。

 若者の間では、親の学歴が低いグループほど肥満率が高く、白人系米国人よりもアフリカ系と中南米系により多くみられた。成人については、大都市部より地方部において重度肥満の割合が高く、「肥満(BMI30以上)でも同様の傾向」にあるとされた。

 米疾病対策センター(CDC)が先週発表した別の報告書でも、成人の肥満率は、大都市圏の28.7%に比べ、地方部では34.2%と「有意に高い」とされていた。

 米国の大都市圏以外に居住する人口は約4600万人で、全人口の14%にあたる。

 CDCによると、米国の成人喫煙率は全人口の13.9%と過去最低水準にまで低下したが、それでも地方部の喫煙率は都市部の約2倍だという。

 100万人以上が居住する大都市圏では成人喫煙率がわずか11%だった一方、地方部では22%近くに上った。(c)AFP