【6月20日 AFP】米国境で拘束された不法移民の親子の別離をもたらしている政策について、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は19日、批判に屈せず方針を変えない考えを示した。

 親から引き離された子どもをめぐっては、政権幹部らがトランプ氏の不法入国への「ゼロ・トレランス(容赦なし)」方針を支持し子どもたちは人道にのっとった状態で保護されていると主張しているが、国際人権団体からキリスト教福音派、複数の元米大統領夫人、与党・共和党からの批判も強まっている。

 テキサス州とカリフォルニア州の施設の子どもたちを訪れた議員らによると、子どもたちは金網のおりのような場所に入れられ、いつ親に再会できるのか分からない状態で泣きながら過ごしている。

 しかしトランプ大統領は批判に屈せず、共和党に批判が集まる前に事態の収拾を求める圧力の高まりにも動じていない様子で、中小企業経営者との会合で「私は子どもを親から引き離したくない」とした上で「不法に入国した親は訴追すべきなのであって、その場合は、子どもを引き離さなければならない」と説明した。

 国連(UN)は親子を引き離すのは良心にもとると糾弾、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は「拷問にそのものだ」と激しく非難した。メキシコ外相は「残酷で非人道的だ」と責め、首都ワシントンにある税関や国境警備隊の本部前では抗議デモが行われた。

 キリスト教指導者らは、ジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)司法長官が、親子を引き離す結果になっても法律に従わなければならないとのトランプ氏の要求は正しいと主張するために、聖書からの引用を示したことを厳しく批判した。(c)AFP/Michael Mathes