【6月20日 AFP】男子テニス、フィーバーツリー選手権(Fever-Tree Championships 2018)は19日、シングルス1回戦が行われ、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は6-2、6-1で予選勝者のジョン・ミルマン(John Millman、オーストラリア)に圧勝し、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)に向けて力強いスタートを切った。

 今季は波に乗り切れないシーズンを送っているジョコビッチだが、ワイルドカード(主催者推薦)で8年ぶりに出場した大会で、この日は序盤から芝でのリズムをつかむと、わずか65分でミルマンを一蹴。第1セットは第5、第7ゲームをブレークして一気に奪取すると、第2セットもほとんど苦しむことなく、最初の5ゲームで2回のブレークに成功し、あっさり勝利を収めた。

 今季ここまで14勝8敗と成績が振るわず、世界ランクも22位まで下降した31歳は、2017年から肘の故障に苦しんでいる。四大大会(グランドスラム)は5大会連続でベスト4に届かず、最後に優勝したのは2016年の全仏オープンテニス(French Open 2016)。すでにトップレベルで戦うモチベーションを失っているとのうわさも根強く、今季の全仏では中堅のマルコ・チェッキナート(Marco Cecchinato、イタリア)に敗れて準々決勝で姿を消した。

 全仏オープンでの失意からどう立ち直ったのかという質問に対し、ジョコビッチは「試合で負けたのは、あれが生まれて初めてでも、最後でもない。ああいう状況の乗り越え方は自分で分かっている」と答えた。

「少しテニスから離れて、肉体的にも、精神的にもバッテリーを充電した。知りたいなら言うけど、子供たちを預けて、妻と一緒に5日間のハイキングに出かけた。素晴らしい時間だったよ。二人きりで過ごす機会は2年間なかったから、なんとか時間をつくった。テニスから遠く離れて、自然と触れ合って、頭をすっきりさせるには最高だった」

 ジョコビッチは2回戦で、ATPワールドツアー・ファイナルズ(ATP World Tour Finals 2017)王者のグリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)との対戦が組まれており、厳しい戦いが予想される。自身2回目の大会優勝を目指す第2シードのディミトロフは、初戦でダミアー・ジュムホール(Damir Dzumhur、ボスニア・ヘルツェゴビナ)を6-3、6-7(4-7)、6-3で退けた。

 一方、2016年のウィンブルドン選手権ファイナリストで、前週のメルセデス・カップ(MercedesCup 2018)でも決勝に勝ち上がっているミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)は、試合には勝利したものの、その後に棄権を発表した。

 予選勝者のユーキ・バンブリー(Yuki Bhambri、インド)と対戦したラオニッチは、6-1、3-1とリードした時点で相手が膝の負傷で途中棄権。ところがラオニッチ自身も、試合後に肩の負傷で大会から退くことを発表し、ウィンブルドンの出場にも不安が生じている。(c)AFP/Steven GRIFFITHS