【6月19日 AFP】世界保健機関(WHO)は18日に公表した国際疾病分類(ICD)の最新版となる第11版の中に、コンピューターゲームが麻薬やギャンブルと同じように依存症を引き起こす危険性があるとの記載を盛り込んだ。

 WHOのメンタルヘルス・物質乱用部門を統括するシェカール・サクセナ(Shekhar Saxena)氏は、AFPの取材に「世界中の専門家と意見交換を行い、あらゆる情報を徹底的に再検討した結果、この疾患を追加するべきとの決定を下した」と語った。

 約30年ぶりに大幅な改訂が行われたICD第11版では、オンラインおよびオフラインの「ゲーム障害」を「物質の使用や常習的な行動に起因する疾患」に分類している。

 主な症状としては、ゲームを中断することが著しく困難な「制御障害」や、それ以外のすべてのことを排除してゲームに集中することなどが挙げられた。サクセナ氏はAFPの電話取材に、「ゲームに熱中しすぎるあまり、睡眠や食事などの他の興味や活動がないがしろにされる」と指摘している。

 極端なケースでは、ゲームの画面から離れられなくなった揚げ句、学校を中退したり、職を失なったりするほか、家族やゲームをしない友人らとの関係が断ち切られたりもする。ゲームに熱中する人々の大半が若者で、その多くはティーンエージャーだ。

 ICD最新版では、問題行動の兆候が1年以上持続することをゲーム障害の診断要件としている。

 世界の3人に1人にあたる約25億人が基本料金無料のタッチスクリーンゲームを特に携帯電話上でプレイしているが、ゲーム障害に罹患(りかん)するのは「ごく一部の少数」に限られるとサクセナ氏は指摘する。「あらゆるゲームが病気の原因となると主張しているわけではない」