【6月18日 AFP】17日に行われたサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)のグループFの試合で、メキシコが前回王者ドイツから金星を挙げたことを受け、地元メキシコ市では、喜びに沸くサポーターが通りへ出て歌い、踊り、車のクラクションを鳴らして選手をたたえるお祭り騒ぎとなった。同じような「祝勝パーティー」は、同市だけでなくグアダラハラ(Guadalajara)やトルーカ(Toluca)といった他の大都市でも起こったという。

 ソカロ広場(Zocalo Square)では、大挙して詰めかけたサポーターが勝利を喜んだ。商売人だという中年の女性は、テキーラ入りのビールを一気飲みすると、「きょうのことは世界を揺るがすくらいうれしい。想像して。私たちは世界王者を倒したんだから!」とコメント。集まった人たちは「一体何が、一体何がドイツに起こった?メキシコを倒すんじゃなかったのか?」とチャントを歌った。

 エンリケ・ペニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領も騒ぎに便乗し、ツイッター(Twitter)に「発表する。メキシコが世界一のチームと戦って勝った。おめでとうメキシコ代表!素晴らしい試合だった!」と書き込んだ。

 市内では、興奮したサポーターやファンの乗った自転車、バイク、車が通りにあふれ、カーステレオを大音量で鳴らす人もいれば、奇声を上げて喜ぶ人もいた。そのすさまじい騒音の中で、伝統の曲「シエリト・リンド(愛しい人というような意味)」を奏でた熟練のバイオリニストは、ケースにおひねりが少しずつたまっていく中、勝利には心臓が止まりそうだったが「小さくてもゴールはゴール」と話した。

 頬にペイントを施し、メキシコ国旗を手にした女性ファンは、「われらアステカ軍団!」とシャウト。決勝点を挙げたイルビング・ロサノ(Hirving Lozano)と7月1日に行われる大統領選挙を組み合わせて「ロサノを大統領に!ロサノを大統領に!」と叫ぶファンもいた。

 子供たち、さらには飼っている犬たちにも代表の代名詞である緑のユニホームを着せてお祭り騒ぎに加わった、小学校の先生だという女性は「私たちはどんな強い相手とも戦えることを示した。大統領選でも、誰が勝つにせよ、私たちを勝利へ導いてくれる人が選ばれることを願っている」と話した。

 また、ロサノが試合の決勝ゴールを決めた前半35分には、文字通り町が揺れたという。学者によると、この日の町では「人為的な」揺れが観測され、その原因の一つとして得点の瞬間に「大勢がジャンプした」ことが考えられるそうだ。(c)AFP/Yemeli ORTEGA