【6月16日 AFP】フランスとイタリアは15日、欧州連合(EU)に対し、アフリカの移民・難民が欧州を目指して地中海を渡る「死の航海」を防ぐため、アフリカに難民手続き施設を設置するよう呼び掛けた。欧州は移民・難民問題をめぐって分裂している。

 フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領とイタリアのジュセッペ・コンテ(Giuseppe Conte)首相はパリで会談し、アフリカから欧州に向かう移民らの主要な入り口となっているイタリアとギリシャに負担が集中しているEUの現行の規則に「徹底的な」変更を加えることも求めた。

 今月発足したイタリアのポピュリスト(大衆迎合)連立政権が今週、620人余りが乗った移民船の受け入れを拒否したことをめぐり、両首脳は激しく対立していた。

 難民申請の手続きを定めたEUの「ダブリン規則」は、難民希望者らが域内で最初に到着した国で保護申請することを義務付けている。同規則の見直し案の提出は今月末が締め切りとなっているが、各国首脳らが政策で協調を図る兆しはほとんど見られない。

 コンテ氏は、主にアフリカからの移民の出身国に、「欧州到着前に」難民手続きを行う「保護センター」を設置することを呼び掛けた。これに対しマクロン氏は、EU加盟国が入国管理当局者を地中海の「向う側」に送るべきだと同調した。(c)AFP/Clare BYRNE, Laurence BENHAMOU