【14億分の1:中国事件簿】息子は私立小通い、自分は逮捕にビクビク… 「ダフ屋」物語(上)
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■ファン、主催者…さまざまな「役者」入り乱れ
列車の切符は、日時の変更や払い戻しができるが、コンサートや舞台のチケットはそうはいかない。上演開始までに売りさばけなければ、自分が損をかぶることになる。一番高値で売れるのは、上演2〜3時間前だ。
コンサートや舞台は、一つの地方で数日続けて開催され、木曜から日曜というスケジュールが多い。その場合、稼ぎ時は遠方からも客が来る金曜と土曜だ。前の席だと、惜しみなく金を支払うファンがいるので、利ざやも大きくなる。
昨年末、私は大ヒットした舞台のチケットを劇場入り口で100元(約1700円)で譲り受けた。このチケットは招待券で、私に売ってくれた男性は出演者にも演目にも興味がなく、金欠なので金に換えたいとのことだった。私はそのチケットを高値で転売することができた。とは言え、舞台はよほどの有名演目でない限り稼ぎが良くなく、一番もうけられるのは歌手のコンサートだ。
ただ、ダフ屋行為が行き過ぎると、ファンが団結してチケットを買わないことがある。ダフ屋にとっては最も痛い。5月上旬に有名歌手の周杰倫(ジェイ・チョウ、Jay Chou)のコンサートが成都市(Chengdu)であった時は、ダフ屋が会場に集結し、1000元(約1万7000円)のチケットを2000元(約3万5000円)払って手に入れた。
しかし当日になると、300元(約5000円)まで下げても誰も買ってくれない。あるダフ屋は、怒ってそのチケットを燃やしてしまった。チケット1枚の損失が2000元。ダフ屋はみな、数十枚分の損失を抱えた。
主催者からダフ屋にチケットが流れることもある。その場合、ダフ屋は1枚に最低70元(約1200円)上乗せして買い取る。ダフ屋はその後、別のダフ屋に転売し、観客の手に渡る頃には、値段が跳ね上がっていることもある。(c)東方新報/AFPBB News
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