【6月15日 AFP】英国の宇宙物理学者、故スティーブン・ホーキング(Stephen Hawking)博士の声が、15日に英ロンドンのウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)で営まれる埋葬式に合わせ、地球から最も近い距離にあるブラックホールへ向けて放たれる。

 車いすでの生活を余儀なくされながら病気と闘い、宇宙の謎の解明に生涯をささげたホーキング博士は、3月14日に76歳で死去した。遺灰は、ウェストミンスター寺院にあるアイザック・ニュートン(Isaac Newton)とチャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)の墓のそばに埋葬される。

 埋葬に合わせ、音声合成装置を通したホーキング博士の声を中心に特別に作曲された音楽が、欧州宇宙機関(ESA)によって地球から最も近いブラックホール「1A 0620-00」へ向けて発信されるという。

 ホーキング博士の娘、ルーシー・ホーキング(Lucy Hawking)さんは、「この惑星(地球)における父の存在と、宇宙へ行きたいという父の願い、父が心の中で行っていた宇宙探検とを結びつける美しくも象徴的なジェスチャー」だとコメント。「これは平和と希望のメッセージ、一致団結し、この地球上で私たちが調和し共に暮らす必要性に関するメッセージです」と述べている。(c)AFP