【6月11日 東方新報】スーパーでは顔認証で決済、スマホは指紋でロック解除、微信(ウィーチャット、WeChat)は音声認証……非常に便利に見えるこれらのシステムが、ユーザーのプライバシーを流出させるリスクを持っていると認識している人は、どれくらいいるだろうか。

 中国国際ビッグデータ産業博覧会(China International Big Data Industry Expo)では、フェイスブックの個人情報漏えいから、中国のニュースアプリ今日頭条(Jinri Toutiao)の虚偽広告まで、プライバシー侵害に関わるさまざまな事例が紹介された。

 中国工程院メンバーでもある鄔賀銓(Wu Hequan)中国インターネット協会理事長は「中国のECや宅配便業界は急成長しているが、個人情報漏えいリスクも高まっている」と述べた。

 インターネットに写真をアップすることでさえ、個人情報流出のリスクはある。パスワードも一度流出すると、被害が広がる。

 阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング、Alibaba Group Holding)のセキュリティー部門を統括する杜躍進(Du Yuejin)氏は「顔認証、指紋識別、虹彩認証など生体認証が広がるにつれ、個人情報漏えいの経路も多様化している」と指摘した。

 小米科技(シャオミ、Xiaomi)幹部の崔宝秋(Cui Baoqiu)氏は、「ユーザーたちが各自、プライバシー意識を高める必要がある。企業としてはユーザーの知る権利を最大限尊重し、ビッグデータを活用するしかないからだ」と述べた。(c)東方新報/AFPBB News