【6月11日 AFP】スイスで10日、オンラインカジノの解禁などを盛り込んだ新たな賭博法の是非を問う国民投票が行われ、圧倒的多数の賛成で可決された。新法はギャンブル依存症対策を強化する狙いもあり、スイス国内の認定業者によるオンラインカジノ運営を認める一方で、国外に拠点を置く業者は接続遮断の対象となる。

 最終開票結果によると投票者の72.9%が賛成した。ただ、有権者のうち投票したのは3分の1程度にとどまった。

 政府は新たな賭博法について、デジタル時代に合わせた更新であると同時に依存症対策を強化するものとしている。法案はすでに上下両院で可決されており、来年発効する見通しだ。

 新法では、インターネット上も含めてスイス国内でカジノや賭博の運営が認められるのはスイスで認定された業者だけに限られると規定。賭博を規制する法律としては欧州でも最も厳しい部類に入る。反対派はインターネットの検閲につながると主張し、5万人の署名を集めて国民投票に持ち込んでいた。

 シモネッタ・ソマルガ(Simonetta Sommaruga)司法相は、スイス企業のみに賭博サービスの提供を認めるのは、依存症として知られている人を排除することを含めて、すべての人に厳しい規則を順守してもらうのに不可欠だと強調している。

 依存症の調査研究機関、アディクション・スイス(Addiction Switzerland)によると、総人口が830万人のスイスでギャンブル依存症の人は7万5000人ほど。社会に毎年5億スイス・フラン(約550億円)超のコストがかかっているという。(c)AFP/ Nina LARSON