アイスランドにハプニング、指揮官のかばん行方不明で出発が遅延
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【6月11日 AFP】サッカーアイスランド代表のヘイミル・ハルグリムソン(Heimir Hallgrimsson)監督が9日、自身のかばんを別のバスに乗せて警察の力を借りることになり、初出場となるW杯ロシア大会(2018 World Cup)は、滑稽(こっけい)な形のスタートを切ることとなった。
ハルグリムソン監督のかばんは代表チームが向かう空港行きのバスではなく、同国北部に向かうバスに積まれていた。この失態でかばんを回収するため、チームの出発は30分遅れた。
ロシアの黒海沿岸にあるゲレンジーク(Gelendzhik)近郊で行われたW杯に向けた最初のトレーニングで、ハルグリムソン監督はAFPに対し「選手たちが私を笑える状態だったのは良かった」と話した。
「願わくば、これが大会での唯一のミスになるといいんだが」
アシスタントコーチを務めるヘルギ・コルビドソン(Helgi Kolvidsson)氏は、バッグの中のコンピューターには、20年取り組んだ成果が入っていたことを明かした。
「警察にバスを止めてもらわなければならなかった間、ヘイミルは空港で私たちにコーヒーをごちそうしてくれたんだ」
アイスランドは欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)でイングランドを相手に2-1の驚くべき逆転勝利を収め、ロイ・ホジソン(Roy Hodgson)監督率いるチームを屈辱のベスト16敗退に追いやるなど、おとぎ話のような躍進を見せていた。
アイスランドはロシアW杯でも難しい挑戦に直面することになっており、16日に行われる初戦で2014年大会(2014 World Cup)準優勝のアルゼンチンと対戦し、その後のグループステージではクロアチア、ナイジェリアと顔を合わせる。
ハルグリムソン監督は、初出場となるW杯での成功を望む母国のファンからプレッシャーを受けるチームを、欧州選手権で得た経験が手助けするだろうと考えている。
「われわれは、これから足を踏み入れようとしているものに対する手がかりを持っている。欧州選手権の前よりは安定しているよ」
「うまくいけばアルゼンチンや他のチームにもサプライズを起こすことができるかもしれない」
アイスランドのスタッフは、イングランド・プレミアリーグのエバートン(Everton)に所属し、チームの主力であるギルフィ・シグルズソン(Gylfi Sigurdsson)が膝の負傷から回復しており、リオネル・メッシ(Lionel Messi)擁するアルゼンチンとの試合に向け準備ができていると明かした。
しかし、アロン・エイナル・グンナルソン(Aron Einar Gunnarsson)が、気温30度の中で行われ、地元の数百人の人々が駆け付けた10日の練習の全てには参加しなかった。
元アイスランド代表のグドニ・ベルグソン(Gudni Bergsson)氏によれば、カーディフ・シティ(Cardiff City)に所属するグンナルソンが4月にけがをした膝の状態は、初戦に向けた懸念の一つであるという。
「われわれは、彼がアルゼンチン戦までにフィットしてくれることを望んでいるが、そのうち分かるだろう」 (c)AFP