【6月10日 AFP】中米ニカラグアで4月中旬に始まったダニエル・オルテガ(Daniel Ortega)大統領退陣を求める一連の抗議デモに関し、同国の人権団体は9日、前夜に起こった暴力的な抗議行動のさなかに少なくとも2人が死亡し、累計の死者数が137人に達したと明らかにした。

 ニカラグア人権センター(CENIDH)はAFPに対し、1人は同国北部の都市ヒノテガ(Jinotega)で、もう1人は同国首都マナグア(Managua)でそれぞれ死亡したと述べた。

 学生団体の情報によれば、ヒノテガでは、デモ隊が治安部隊阻止のため道路に設置したバリケードを警備していたところ、政府系民兵組織による銃撃を受け、若い男性が死亡した。

 現地メディアによれば、マナグアでは、バイクに乗った若者が武装した男2人のバイクに追跡された末、首に銃弾を受けて死亡した。

 同国で強い影響力を持つカトリック教会の司教らは7日、オルテガ大統領と会談し、「過去数週間に人々が経験した苦痛と苦悩」を指摘。危機沈静化に向けた交渉再開の計画を話し合った。

 マナグアのシルビオ・ホセ・バエス(Silvio Jose Baez)補佐司教によれば、オルテガ大統領は「返答のため考える時間を求めている」という。同補佐司教は「私たちは書面で返答するよう大統領に要請した」と述べ、返答を受け取った後に交渉再開の可能性を探るとした。(c)AFP