【6月9日 CNS】中国・貴州省(Guizhou)榕江県(Rongjiang)八開鎮(Bakai)廟発村(Miaofa)には、川の魚を守るために村民が自発的に組織した一団がある。報酬は無く、統一された制服もないが、交代で毎日船を出し、柳江(Liujiang River)の野生魚の保護パトロールを18年間続けている。

 八開鎮廟発村には、寨比(Zhaibi)、廟発、夢東(Mengdong)の三つの集落がある地域を柳江が流れており、距離にして約7キロある。パトロール隊は、村外からやって来て、魚を毒や電気で感電させて殺すなど、禁漁期間の釣りや捕獲行為を取り締まっている。

 村内の漁船は、大小合わせて約80隻。2000年に現地の村民らで自発的にチームを結成し、毎日、朝晩2回のパトロールを行っている。努力のかいあって、近年では集落の住民の間にも魚を保護しようという機運が高まり、魚も年々増加している。

 しかし、この地域では魚が増え始めると、外部の人間がやって来て乱獲する行為が頻繁に起こるため、パトロール隊の巡回はさらに厳しくなる。

 パトロール隊のの隊長を勤める曽玉権(Zeng Yuquan)さんは、定年退職した元派出所警察官だ。曽さんによると、パトロール隊には9人の村民が参加しており、舟2隻を使ったパトロール回数は、年間で700回を超える。年間約5000元(約8万5000円)に上る船のガソリン代は、すべて隊員らの自己負担だという。

 しかし、地元の川を守るため、隊員らは何の不満も漏らすことなく、朝晩のパトロールを続けている。(c)CNS/JCM/AFPBB News