【6月8日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は7日、新たな極超音速大陸間ミサイルが来年にも実用化されると述べ、米国との軍事的均衡を維持することができると自信を示した。

 プーチン大統領は自国の戦略兵器の現代化に再び注目を集めるため、国民と電話で対話するテレビ番組に出演し、新たな「前衛的」ミサイルは方向や高度を変えることが可能だという点を特に強調し、阻止不可能になると説明した。

 プーチン大統領は、「音速の20倍、マッハ20より速い。他国が今後数年でこのような兵器を開発するとは思えない…われわれはそれを既に手にしている」と述べた。このミサイルは現在製造中で、来年に実用化される見通しだという。

 一方、もう一つの極超音速ミサイルについては既に実用化されているという。「空中発射極超音速システムのキンジャル(Kinzhal)は、音速の10倍の速度で飛行する極超音速ミサイルで、既にわが軍に配備されている」とプーチン大統領は話した。

 さらに、レーザー兵器システムの運用も始まっており、新しい、より強力な弾道ミサイルのサルマト(Sarmat)も、2020年には実用化されるとしている。

 プーチン大統領は、通算4期目を目指す大統領選を数週間後に控えた3月の年次教書演説で、複数の新たな「無敵」兵器について発表し、多くのロシア国民に加え、欧米をも驚かせた。

 プーチン大統領はこれら新世代兵器の開発を、かつて戦略的均衡を保っていた主要な軍事条約である、弾道弾迎撃ミサイル制限条約(ABM条約、ABM Treaty)から米国が脱退したことへの対抗策と位置付けている。(c)AFP