■絶滅危急種

 クロクスクスは国際自然保護連合(IUCN)が作成する世界の野生動植物の絶滅危機の度合いを示す「レッドリスト(Red List)」で「危急種(Vulnerable)」に指定されている。

 その個体数をめぐっては、狩猟と森林破壊が速いペースで進行していることを背景に、今後10年で30%あまり減少すると予測されている。

 ポーランドで希少動物種に関する著作が複数ある生物学者のラタイシュチャク園長は、昼行性の性質を持つことが、クロクスクスをハンターの格好の標的にしていると指摘する。「木の葉を主食とし、昼間に大きな木の枝の上で無防備な姿をさらし続けているクロクスクスは、地元の人々には格好の獲物に見えるようだ」

 スラウェシ島で地元の科学者が実施している野外調査にブロツワフ動物園も資金提供している。

 同園長によると、欧州ではブロツワフ動物園の3匹を含めて全部で6匹のクロクスクスが飼育されているという。チェコのウースチー・ナド・ラベム動物園(Usti nad Labem Zoo)でも繁殖の可能性のあるつがいが飼育されているほか、ベルギーの動物園でも1匹飼育されている。(c)AFP