【6月5日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は4日、ロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官が進める米大統領選のロシア介入疑惑の捜査について、ツイッター(Twitter)で捜査は「違憲」であり自分にはいかなる罪に問われても自身を恩赦する「絶対的な権限」があると主張し、捜査への対抗姿勢をあらわにした。

 専門家の多くはトランプ氏が述べたどちらの主張も確固とした法的根拠に欠けると指摘し、コメントは、2016年米大統領選でのロシア干渉疑惑やトランプ氏に司法妨害があった可能性を捜査しているモラー氏に対してトランプ氏が賭けに出たものとみている。

 トランプ氏は「数えきれないほどの法律専門家たちが指摘してきたように、私には自身に『恩赦』を与える絶対的な権限がある」とツイッターで主張。「だが、何も悪いことをしていないのに、その権限を行使する必要があるだろうか?」と付け加え、権限の行使には含みをもたせた。

 また、さらなるツイッター投稿で「特別捜査官の任命は完全に『違憲』だ!」と批判し、「それでも私は、民主党と違って何も間違いは犯していないが、正々堂々と闘う」と宣言した。

 自身を恩赦する権限があるとトランプ氏が断言したのは今回が初めて。これまでに米大統領が自らを恩赦した前例はない。

 トランプ氏の顧問弁護士を務めるルドルフ・ジュリアーニ(Rudy Giuliani)元ニューヨーク市長は3日、トランプ大統領には自身に恩赦を与える権限が「おそらくある」としたうえで、もし恩赦を実行すれば政治的に「厳しい事態」が波及するだろうと語っている。(c)AFP/ Paul HANDLEY