【6月4日 AFP】イタリアのポピュリスト連立新政権の内相兼副首相に就任した極右政党「同盟(The League)」のマッテオ・サルビーニ(Matteo Salvini)書記長は3日、南部シチリア(Sicily)島にある移民・難民の収容施設を訪れ、「イタリアは欧州の難民キャンプにはなれない」と述べるとともに、難民キャンプ化するのを防ぐには「良識」が必要だと訴えた。

 サルビーニ内相は、難民の主要上陸地点の一つとなっているシチリア島ポッツァッロ(Pozzallo)を訪問し、自身の政治基盤強化につながってきた反移民政策をアピール。炎天下に集まった支持者らに向け「イタリアとシチリア島は、欧州の難民キャンプにはなれない」と語った。

「不法移民はビジネスと化しているとの私の確信は、誰も否定できない。子どもたちを死なせることで金もうけする連中がいることを思うと、怒りがこみあげてくる」(サルビーニ氏)

 この演説の後でサルビーニ氏は難民・移民の収容施設内に入り、今月1日に人権団体の船に救助されポッツァッロに上陸した移民ら約158人と面会した。

 イタリア沿岸警備隊と協力して行われた救助活動の数時間前、サルビーニ氏は内相に就任。イタリアに「到着する移民の人数を減らし、国外退去者の人数を増やすにはどうしたら良いか」を省内の専門家に相談すると発言していた。また、2日には「不法滞在者に優しい時代は終わった。荷物をまとめて出て行く準備をせよ」と述べていた。

 一方でサルビーニ氏は、新政権について「移民に対して強硬路線は取らず、ただ良識の一つを採用する」だろうとも語った。(c)AFP