【6月2日 東方新報】2014年夏、重慶郵電大学(Chongqing University of Posts and Telecommunications)コンピューター科学・技術学院の公印が押された入学通知書のEMSが、中国・重慶市(Chongqing)璧山区(Bishsan)のとある集合住宅に届けられた。しかし、この入学通知書が宛先である羅さんの娘に届けられたのはつい先日だった。

「もしも4年前に受け取っていたら、娘の人生は違っていたかもしれない。今頃は重慶郵電大学の4年生になっていたかもしれない」と思うと、羅さん一家は、なんとも言えない複雑な気持ちになったという。

 この集合住宅には280軒が入居。建物の入口には部屋番号が書かれたポストが設置されており、ポストの向かいには管理人室がある。ポストに入らない大きな荷物は管理人室に一時的に預けられる。

 今年5月に管理会社が変わり、前任の管理会社が管理室に残していった物を整理していた際に、住民宛ての封筒や小包が出てきた。新しい管理人は、それぞれの宛先へ連絡をした。

 娘宛ての郵便物があると連絡を受け、代わりに管理室へ取りに行った羅さんは、中身を確認して頭に血が上ったという。しかし冷静に考えると、すでに4年も経っているし、管理会社も変わってしまった。当時の郵便配達員を探すことも難しい。娘も別の大学に合格して順調に学生生活を送っているということで、一家はこの件を忘れることにしたという。

 管理人によると、「おそらく当時の配達員は、ポストがいっぱいで入りきらなかったために、管理人室に置いていったのだろう」と話している。また同じようなことが起こらないように、今後は届け物の一時預かり表を作成、記録するようにしたという。

 羅さんの娘は14年に高校を卒業後、短大に通い、途中で編入試験に合格し、現在は重慶理工大学(Chongqing University of Technology)へ通っている。

 この出来事はインターネット上でも話題になり、「管理会社にももちろん責任はあるが、配達員はなぜ受取人に連絡をしなかったのか?」「こんな重要な知らせが届かなくて気にならなかったのか。自分で問い合わせることもできただろうに」なとど物議を醸している。(c)東方新報/AFPBB News