■仮眠への意識、変わるには1世代かかる

 こうした仮眠施設を利用するのはどんな人たちだろう? 長時間働いている人や長距離通勤の人、夜遊びの前に一休みしたい人、疲れ切った妊婦、乳児の子育てで睡眠不足の親たち、パーティーの前後に一息いれたい人などさまざまだ。

 2004年にクリストファー・リンドホルスト(Christopher Lindholst)氏が設立した企業「メトロナップス(MetroNaps)」は、超モダンな「仮眠用カプセル」を開発している。

 当初は米ニューヨークのエンパイアステートビル(Empire State Building)に数台設置したが、防犯上の理由で撤去を余儀なくされ、その後は企業や大学、病院、空港などを相手に売り込みを行っている。顧客には米グーグル(Google)や米航空宇宙局(NASA)なども名を連ねる。

 リンドホルスト氏は「人々の意識はこの15年間で劇的に変わり、睡眠の重要さとその効果に対する認識が非常に高まりました」と話す。

 だが、通勤時間も含めて全米で最も勤務時間が長いこの都市では、「さぼること」に対する古い偏見が払拭(ふっしょく)されるまでに1世代はかかるだろうと言う。

「問題にしているのはほんのわずかな時間のことだ、と私たちはいつも反論しています。10~20分というのは、基本的にはコーヒー休憩、あるいはニューヨークではたばこ休憩と同程度の時間ですから」と説明した。(c)AFP/Laura BONILLA