【5月30日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2018)は29日、女子シングルス1回戦が行われ、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)は7-6(7-4)、6-4でクリスティナ・プリスコバ (Kristyna Pliskova、チェコ)を下し、優勝した2017年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)以来となる四大大会(グランドスラム)での白星を飾った。

 しかし、この日の試合ではそのプレーだけでなく、セレーナが着用した体にぴったりとした黒のジャンプスーツ(つなぎ)が人々の注目を集めた。第17シードのアシュリー・バーティ(Ashleigh Barty、オーストラリア)と顔を合わせる2回戦へ駒を進めた36歳の同選手は試合後、今回のウエアはハリウッド(Hollywood)の大ヒット映画『ブラックパンサー(Black Panther)』に影響を受けたものだと説明している。

「自分はワカンダ(ブラックパンサーで登場するアフリカの架空の国)風キャットスーツと呼んでいる。本当に気に入っている。戦う王女のような気分になる。ずっとスーパーヒーローになりたいと思っていたから」

 その一方で、昨年9月に長女アレクシス・オリンピア(Alexis Olympia)ちゃんを出産した後、血栓症を患って命の危機にさらされるなど健康面で苦しんでいたセレーナは、今回のウエアは「面白いのと同時に機能的」であり、産後の女性をサポートする目的もあったと話し、単にファッション的な側面だけでとらえてほしくないと付け加えている。

「この1年間で私は数え切れないほどの血栓を抱えてきた。だから、このスーツにはそれに対するちょっとした機能性もある。これまでも、血液の循環を良くするためによくパンツをはいてきたけど、今回のウエアには楽しさに加え、自分が問題なくプレーできるようにする機能性も兼ね備えている」

 また、同日行われた試合で予選勝者のリーシェル・ホーヘンカンプ(Richel Hogenkamp、オランダ)を6-1、4-6、6-3で下し、ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)で2015年以来となる白星を挙げたマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)も、セレーナのウエアについて言及している。

 セレーナと同じ米スポーツ用品大手ナイキ(Nike)とウエアのスポンサー契約を結んでいるシャラポワは「あまり試合は見られなかったけど、私も(ウエアは)ちらっと見た。グランドスラムの復帰戦としては予想されていた結果だと思う」とすると、「ナイキはメッセージを発信するのが非常にうまい。テニスの素晴らしいところは、自分の個性や他人と違うということを表現できること。私もそういったところが大好き」とコメントした。(c)AFP/Dave JAMES