【6月11日 AFP】W杯ロシア大会(2018 World Cup)において、ロシア代表はどこが勝ち抜けてもおかしくないグループAに入り、開催国として決勝トーナメント進出を逃す史上2番目のチームになることは避けたいと考えている。旧ソビエト連邦の解体後、ロシアとしては今回が通算4度目のW杯本大会出場になるが、期待以上のパフォーマンスを発揮することがたびたびあるものの、ベスト16入りを果たしたことは一度もない。

 スタニスラフ・チェルチェソフ(Stanislav Cherchesov)監督が率いるロシアは、来月14日にサウジアラビアとの大会開幕戦を控えており、ウルグアイかエジプトのどちらかを抑えてグループ突破を果たすためには、欧州選手権(UEFA Euro 2016)での悲惨な結果を乗り越えて大きく成長しなければならない。

 通算2度のW杯優勝の実績を持つウルグアイは、ルイス・スアレス(Luis Suarez)とエディンソン・カヴァーニ(Edinson Cavani)という恐るべき前線コンビを擁し、グループ1位通過の筆頭に挙げられている。

 しかし、ウルグアイはこの2人以外、4強入りを果たした2010年南アフリカ大会(2010 World Cup)のような頼もしい戦力とはいえず、フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)でプレーするカヴァーニと、輝く才能を持ちながらも4年前の前回大会ではイタリアのジョルジョ・キエッリーニ(Giorgio Chiellini)にかみついて出場停止処分を受けたスアレスに大きく依存すると予想されている。

 一方、エジプトの希望はモハメド・サラー(Mohamed Salah)のプレーと体調に左右されるだろう。イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)で今季32得点を記録した同選手だが、レアル・マドリード(Real Madrid)との欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2017-18)決勝で肩を負傷し、回復までに時間との闘いに直面している。

 サラーが復帰すれば、エジプトは伏兵としてグループ突破の可能性があるものの、過去のW杯で決勝トーナメントに進出した経験は一度もない。

 サウジアラビアは1994年米国大会のベルギー戦でサイード・オワイラン(Saeed Al-Owairan)が圧巻のゴールを決め、ベスト16入りを果たした実績があるものの、これは一度限りの番狂わせだったといえる。

 W杯で最も楽であるとみられるグループAのチームが大会でどれだけ勝ち進めるかは、決勝トーナメント1回戦でグループBの優勝候補スペインとの対戦を避けられるかが重要なカギを握ることになる。(c)AFP