■シルバー世代の津波

 韓国の出産率(女性が生涯で産む子どもの平均数)は昨年、前年の2.1人を大きく下回り、過去最低の1.05人となった。2030年までには、65歳以上が人口の25%を占める「シルバー津波」現象が起きると予想されている。

 昔は3世代が一つ屋根の下で暮らす伝統的な拡大家族構成によって、高齢者が子どもたちの支援を受けながら比較的快適な生活を送ることができたが、ここ数十年の急激な社会変化によって、子が親の面倒を見る風習が廃れ、高齢者は仕事を続けることを余儀なくされていると、ファン氏は話す。

 パクさんと、コンビニエンスストアでレジ係として働いている妻(63)は年1度、1週間だけ休みをとり、リゾート地の済州(Jeju)島に旅行する。それでもパクさんは「仕事を続けられて感謝しているし、幸運だとも感じている」と話した。(c)AFP/Jung Hawon