【5月27日 AFP】ベネズエラ政府は26日、同国で2年近く拘束されていた米国人男性ジョシュア・ホルト(Joshua Holt)氏と同氏の妻が釈放され、米国に向かっていることを確認した。

 ベネズエラのホルヘ・ロドリゲス(Jorge Rodriguez)通信情報相は、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が両国政府間の対話を促す「意思表示」として釈放を命じたと説明。ホルト夫妻は「空路米国に向かっている」と述べた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領も26日、ベネズエラ政府がホルト氏を釈放し、同氏が帰国に途に就いたことを発表。同氏はホワイトハウス(White House)で出迎えを受ける予定だとした。

 これに先立つ25日、米国のボブ・コーカー(Bob Corker)上院外交委員会委員長が、ベネズエラの首都カラカスでマドゥロ大統領と会談していた。ユタ州選出のオリン・ハッチ(Orrin Hatch)上院議員は、ホルト氏釈放における同委員長の「極めて重要な取り組み」を称賛した。

 ホルト氏はユタ州に住むモルモン教徒で、ベネズエラ情報機関「セビン(Sebin)」の政治犯収容施設「エリコイデ(Helicoide)」に収容されていた。

 同氏は2016年6月のベネズエラ入国直後、武器を不法に所持し、マドゥロ政権の不安定化を企てたとして逮捕され、同国政府高官らから米国のスパイと認定された。

 ホルト氏の所在は今月、エリコイデに収容された反政府活動家の抗議行動の際に明らかになった。同氏はツイッター(Twitter)に投稿された動画で米政府に助けを求めたほか、所内の収容者グループの写真にも写っていた。

 マドゥロ大統領は今月20日に再選を果たしたが、選挙は大半の野党がボイコットしたほか、米国、欧州連合(EU)、カナダや、南米の10か国余りが正当でないと批判。トランプ政権は選挙後、ベネズエラへの制裁を強化し、マドゥロ大統領は報復として米外交使節トップ2人に国外退去を命じたが、同大統領が緊張緩和に動くなかで釈放が実現した。(c)AFP